イベントレポート
伏津館跡 現地説明会レポート
去る平成26年7月16日(水)、野田村にある伏津館(ふしつだて)跡で現地説明会が開催されました。
当初7月12日に開催予定だったこの説明会は、台風8号の影響で延期となりました。当日は過ごしやすい気温でしたが、終盤に小雨が降り出す不安定な天候となりました。
参加者は103名でした。ご参加の皆様、ありがとうございました。
伏津館跡は、三陸沿岸道路建設に伴って行われている緊急発掘調査です。15世紀の城館跡で、近隣で発掘調査中の宇部館跡(16世紀)より年代は昔です。地元では『ふづつ』と呼ばれています。
遺物も城館にふさわしい、青磁の香炉や水さし、天目茶碗など当時の高級品が出土しています。

今回は、発掘調査の様子や流れを写真パネルにして展示しました。発掘の内容が整理されており、分かりやすくて良いと評判でした!

開会式では、当センター所長の挨拶、三陸国道事務所の概要説明があり、担当調査員からの説明です。テレビ取材も来ているのでいささか緊張気味です。

やはり城館だけあって、急こう配を登ります。お城関係の遺跡はかなりの確率でこういう地形ですが、皆さん足腰が丈夫です!スムーズな移動でした。

現地はこのように高低差がかなりあります。下の調査員と上の参加者の位置をみるとその高さが分かると思います。敵の侵入を防ぐためと、遠くを見渡せるように、と思われます。

出土した遺物です。当時は高級だった中国産の青磁の物が多く、この地を治めていた権力者の力が伺えます。個人的には天目茶碗が気になります!

こんなすずりの破片も見つかっています。表面に琵琶(びわ)という楽器の絵が施されていて、これも高級品だったことが伺えます。
参加者のお話
今回お話を伺った方も地元で、小さい頃にこの遺跡の西側のふもとに並んでいる大きな石の列に乗って遊んだそうです。その大きな石も人工の物ではないか、とおっしゃっていました。
さらに、他の地元の方の話では、この辺りは遺跡の宝庫で、昔は土を掘るとすぐに遺物が出てくるのでコレクションして、皆で見せ合って遊んだそうです。近 辺の遺跡にも興味あり!とのことで、地元の歴史にかなりの関心を寄せていました。歴史の深い地域ですね。
復興事業についてもできることは協力するから、一日も早く進めて欲しい、とおっしゃっていました。
当日の資料はこちらから(PDFファイル)
2014年7月12日掲載
※このホームページは公益財団法人岩手県文化振興事業団埋蔵文化財センターが、調査した遺跡の情報を提供しています。 掲載されている情報の無断転載はできません。