イベントレポート

長谷堂貝塚 現地説明会レポート

8月5日(土)、午前中の内田貝塚に続き午後は内田貝塚から約10キロ北の長谷堂貝塚の現地説明会です。天候も回復し、だいぶ暑くなってきました。
長谷堂貝塚は大船渡湾の北に位置し、現在は海から約3キロ離れています。これまでに早稲田大学や大船渡市、当埋文センターによる調査が何度も行われており、縄文時代中期から晩期、弥生時代、平安時代の集落跡が確認されています。
今回は昨年度に引き続き遺跡を縦断する市道猿石線の改良のため6月1日から調査を行っています。

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はじめに担当者から遺跡の概要説明です

午後1時30分からプレハブ前で担当調査員の紹介ののち、遺跡の概要と日程の説明がありました。
昨年度からの調査で、縄文時代中期後半の住居の集中部分が見つかりました。この住居跡の集中区は過去の調査と合わせてみると、大きな環状になっていると思われ、この時期の集落の中心のようです。
また、新たに貝層も見つかっており、今まで確認されていた貝の集中区が拡大することが分かりました。

調査区が狭いので、2班に分かれて調査現場と出土遺物の見学を行います。長谷寺前の道を調査区に向かいます。

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調査現場まで歩いて移動します

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調査区は、幅2mほどの細長い範囲です

幅2mほどの狭い道路の脇を道路に沿って細長く掘っています。調査区北端からは近世の掘立柱建物跡が見つかっています。

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貝殻が重なって堆積する様子

イヌの骨がみつかった様子

イヌの骨がみつかった様子

調査区の中ほどの貝層の広がるエリアに来ました。直径6mほどの範囲に貝殻が密集していたそうです。現在はだいぶ取り除きましたが、正面のあぜ状に残っている部分に貝殻の層の断面が見えます。近づいてみるとアサリやカキに混じって、獣の骨もあるようです。
調査員が指しているのは、貝層を取り除いたところ、獣の骨がまとまって見つかった部分です。イヌの骨のほか、シカの骨も見つかっています。イヌの骨は見たところ7~8頭分ぐらいあり、バラバラの状態です。墓穴があるかどうかを含め、これから詳しく調査します。

この場所からは他にイノシシの骨も見つかりました。参加された方からは、当時大船渡にもイノシシがいたのか、イヌはいつごろから人間と生活を共にするようになったのか、といった質問がありました。
貝層がなければ、これら様々な動物の骨も分解されてなくなっていたことでしょう。貝塚は情報の宝庫ですね。

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柄鏡形住居の説明

柄鏡形の住居の柄の部分

柄鏡形の住居の柄の部分

大きな石が敷き詰められています。いわゆる配石遺構のように見えますが、縄文時代の柄鏡形(えかがみがた)の住居跡と考えており、2棟ほどありそうです。調査区が狭く全体像を見ることができないのは残念です。調査員が指し示しているのは「柄」の部分で、大きな石が敷き詰められています。調査員の右側にやや小さい石が、弧状に並んでいますが、住居跡の壁に並べられた石と思われます。

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配石遺構の説明

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配石遺構(西側斜め上から)

調査区の南端に来ました。何だろう?これは!!不思議な形です。
細長い礫を扇形に敷き詰めた配石遺構です。中軸線と両側に大きめの石を置き、その間に小さい石を詰めているようです。扇の要の部分には大きな石が置かれています。この大きな石を中心に反対側にも石が扇形にひろがるようにも見えます。
どのような性格の遺構なのか、例えば、この下に墓穴などが掘られているのか、石を取り除きながら調査を進める予定です。

今回お見せできる部分はこれで終わりですが、現在の調査区が掘り終えたら反対側の道路の下も調査します。貝層のひろがりはどうか、石をたくさん敷き詰めている遺構はやはり柄鏡形住居なのか、最後に見た配石の向こう側はどのような形なのか、興味は尽きません。

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遺物の展示場に来ました。上は牙でできた垂れ飾りや釣り針など、動物の骨や牙できた道具です。
下は、これは何?
粘土でできた球です。巨大焼成粘土塊(きょだいしょうせいねんどかい)。焼かれています。直径15㎝ぐらいあります。
現場にあった時にはタコ坊主と呼ぶ人あり。土器かと思ったら、取り上げてビックリでした。

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石でできた道具類。人面付き軽石製品もあります。
摩訶不思議な道具が見つかるのも長谷堂貝塚。
今後もどうぞご注目ください。HPなどでも随時お知らせします。
この日は116名ものみなさんにご参加いただきました。暑い中、ありがとうございました。

2017年8月16日掲載

※このホームページは公益財団法人岩手県文化振興事業団埋蔵文化財センターが、調査した遺跡の情報を提供しています。 掲載されている情報の無断転載はできません。

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