北条館跡

いわて調査情報/2018年11月16日現在

DATA

遺跡名 北条館跡(ほうじょうだてあと)
所在地 岩手県紫波郡紫波町大字北日詰字城内234番地ほか
事務所 080-8215-0988
調査期間 平成30年4月18日~11月15日
時代 中世~近世
検出遺構 中世~近世 堀・土塁・掘立柱建物跡・土坑・カマド状遺構
出土遺物 古代 かわらけ
中世~近世 陶磁器・茶臼

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 9月18日に紹介した堀を完掘しました。
 この堀は、前回紹介した柱穴や溝に隣接しており、北条館の内堀に当たると考えています。外堀同様、非常に大きい堀です。
 今年度の調査はこれで終了しました。発掘調査は来年度も続く予定です。どのような遺跡の姿が見られるか、その時が期待されます。
 (平成30年11月15日)
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 北条館跡の調査も大詰めを迎えています。
 写真は、堀に囲まれた平坦な場所で見つかった遺構を調査しているところです。柱穴が並んでいるので、建物(掘立柱建物跡)があったと考えられ、また歪(いびつ)ですが溝も延びています。
(平成30年11月5日現在)

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 9月に紹介したものとは別の土坑(穴)が見つかりました。
 土層の確認のため、半分掘りましたが、その断面に赤い土器が見えており(写真1枚目)、その後、完形のかわらけであることが分かりました(写真2枚目)。
 この土坑は、これまで紹介してきた堀や土坑よりも古いと考えられます。用途についてはまだ不明です。 
(平成30年10月30日現在)

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 外堀は土層観察用のベルトも掘り下げ、ようやく完掘しました。
非常に大きな堀で、写真に写った作業員さんが小さく見えます。
(平成30年10月22日現在)

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 まだ調査半ばですが、先週末、ラジコンヘリで上空から写真撮影を行いました。
 写真の下側(手前側)に写っているのが、6月より調査してきました外堀です。
 この写真から、北条館跡がかなり大きな城館跡であることが分かりました。
(平成3010月1日現在)

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 堀の近くで、写真のような丸い土坑(穴)が見つかりました。
 直径約60㎝、深さは約1mで地面を筒状に掘り込んでいます。時期は堀と同じで、中世だと考えています。
 用途は不明ですが、トイレとして使用していたのではないかと言う研究者もいます。
(平成30年9月25日)

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 前回まで紹介してきた外堀の北側に、もう1条、堀が見つかりました。
 外堀と同じ方角を向く堀ですが、東端は北へと90°曲がっています(写真手前)。深さも外堀ほどは深くはありません。
大変ですがこれから調査を進めていきます。
(平成30年9月18日現在)

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 外堀の調査は、ついに調査区の端まで到達しました。堀は先に進むにつれ(写真1枚目奥側)、幅が狭くなっていきました。
写真2枚目は外堀の端を撮影したものです。深さは2mを超えています。また驚いたことに、緑色に変色した硬い土(8月10日にも紹介しました)の層までわざわざ掘り込んでいます。また、堀の底は平坦ではなく、丸底に作られています。この外堀の先には平沢川があるので、あるいは堀の水を流す目的で、深く丸底に掘られていることも考えられます。
(平成30年9月5日現在)

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 外堀の調査も大詰めを迎えています。写真はいつもとは反対方向から撮影したものです。中央には前回紹介した土層観察用のベルトがあります。
 外堀は真っ直ぐのびていると考えていましたが、少し曲がっているようです。
 また外堀の底面は写真下側のように、緑色~黄色の非常に硬い土であることがわかりました。
(平成30年8月10日現在)

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 調査を進めている外堀のほぼ中央で、土の堆積を観察しています(写真1枚目)。堀の壁は一様ではなく、写真の右側(南側)はスロープ状の緩やかな斜面のように立ち上がり、写真の左側(北側)は、ほぼ直立です。
 また堀の壁をよく見ると、埋まっている土は粘土ですが、壁そのものは砂や石です。このことから、この堀が砂や石が堆積する場所をわざわざ1.5~2mも掘り込んで構築したことが分かり、掘った人々の苦労がしのばれます。 
(平成30年7月24日現在)

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 先週は暑かったり、雨が続いたりと、発掘調査には大変な天候でしたが、堀の調査は、前回紹介した場所からさらに4~5m進みました。
 堀のほぼ中央は、土を残しました(写真中央)。これは前回同様、土層の堆積を確認するためです。
(平成30年7月9日現在)

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 先週まで「北日詰城内Ⅰ遺跡」の調査として紹介しました堀は、北条館跡の外堀であることが判明しましたので、今回から北条館跡の調査として紹介していきます。
 外堀は、先週からさらに4~5m先まで掘り進みました(写真1枚目)。作業員さんの頑張りに驚きます。
 また堀の西端断面から、堀の中の堆積物や堆積する様子を観察しました(写真2枚目)。堀の埋土は、上半分には黒色の粘土が厚く堆積し、下半分は砂や石が堆積しています。この砂や石は、元々、北上川の洪水によってもたらされ、地面の下に堆積していたもので、堀の壁が崩れる際に堀に溜まっていったものと考えます。
(平成30年6月26日現在)

※このホームページは公益財団法人岩手県文化振興事業団埋蔵文化財センターが、調査した遺跡の情報を提供しています。 掲載されている情報の無断転載はできません。

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