岡田遺跡

いわて調査情報/2022年11月25日現在

DATA

※この遺跡の調査は終了いたしました。

遺跡名 岡田(おかだ)遺跡
所在地 岩手県北上市村崎野第12地割地内
事務所 080-2820-0196
調査期間 令和4年4月6日~11月30日
時代 縄文時代 平安時代 江戸時代
検出遺構 落とし穴 竪穴住居 掘立柱建物 井戸
出土遺物 縄文土器 石器 土師器 須恵器

調査が進み、全域の様子がようやく分かってきました。

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調査区西側 落とし穴の調査

縄文時代の落とし穴は、標高の高い尾根部分を中心に調査区域内の広い範囲に分布していることが分かり、計300基を超える多数の落とし穴が見つかりました。落とし穴は列状に並んで配置される傾向があり、複数の時期にわたって繰り返し作られていたようです。

また落とし穴の時期より前には、調査区東側を中心に竪穴住居が作られたと見られ、集落が営まれていた可能性があります。

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調査区西側 遺物集中か所の調査

時を隔てて、平安時代には調査区南東側の南向き緩斜面地に複数の竪穴住居が作られており、ひとまとまりの集落を形成していたことも分かりました。

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調査区東側 大形竪穴遺構の精査

また、調査区東側では近世とみられる掘立柱建物や井戸も確認されています。

狩猟場や集落と土地利用の仕方は変化しながらも、長い時間にわたる生活の多くの営みを確認することが出来ました。

 調査は、今月末まで行う予定です。
                                                                           (令和4年11月24日)

 

10月22日(土)は現地説明会を開催いたしました。

IMG_1355現地説明会風景02

当日は近隣にお住いの方のみならず遠方からもお越しいただき、約140人の方々で大盛況となりました。会場では、岡田遺跡について、調査員の説明をじっくりとお聞きいただけたことと思います。

IMG_1390現地説明会風景02

ご来場いただいた皆さま、本当にありがとうございました。   
                                                                                (令和4年10月27日現在)

 

これまでの調査で確認した遺構がご覧頂ける段階になりましたので、

来たる10月22日(土)午前11時から現地説明会を開催します。

今回の発掘調査からは、縄文時代、平安時代、江戸時代の大きく3つの時期の遺構が見つかっています。

縄文時代の落とし穴

縄文時代の落とし穴

落とし穴の調査のようす

平安時代の竪穴住居の調査のようす

 これらの遺構を間近にご覧頂ける機会ですので、是非ご参加ください。事前申し込みは不要です。

当日は小雨決行となっております。発掘現場は足元が悪く滑りやすいので、長靴などの準備をお願いします。

今回の見所は下記になります。
・縄文時代の竪穴住居と、たくさんの落とし穴群
・平安時代の竪穴住居
・江戸時代の掘立柱建物

特に、落とし穴は広大な面積の中に300基に迫る多くの穴が見つかっています。誤って落ちないように十分ご注意ください。
現地で皆様のお越しをお待ちしております。
                             (令和4年10月13日)

 

調査区の南側斜面部です。

IMG_1081SKⅤL15全景(南から)縮小

写真の手前にある大きな穴は井戸跡で、奥に見える小さい穴の集まりは掘立柱建物跡の柱穴です。
建物の規模は約10m×6.5mで、その外周を巡る溝は塀の跡と考えられます。柱穴からの出土遺物が無いため建物が作られた詳細な時期は不明ですが、近世頃の遺構と思われます。

井戸は掘立柱建物に付随する施設でしょう。開口部の直径は約1.6m、深さは2.3mもあるため掘削作業は難航しました。井戸からは木製品の一部とみられる木片が出土しています。   
                                                                           (令和4年10月3日現在)

 

岡田遺跡ではたくさんの落とし穴が見つかっています。今回はこの中から、3タイプの落とし穴をご紹介したいと思います。

下の写真は細長い溝状の形をしている落とし穴です。長さは2~5mと色々あり、写真の落とし穴の長さは4.4m程です。岡田遺跡ではこのタイプが大半を占めています。

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次の写真は今回の調査で見つかった落とし穴の中で、最も長いものです。両端が丸くなっており、真上から見ると、鉄アレイのような形状をしています。長辺は5m、深さ約1.6mにもなります。
okada0912light2

最後の写真の落とし穴の長辺は1.7m程で、他のものより長さが短い、底面の幅が広い、底面に小さな穴を持つ等の違いがあります。
okada0912light3

このように様々な落とし穴が見つかっています。
形態の違いは、作られた時期の違いや対象とする獲物の違いによるのかもしれません。
                      (令和4年9月9日現在)

 

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狩場の中でも特に好まれたポイントなのか、同じ向きの落とし穴が8つ。
あえてこの場所にこだわり、埋めては作るを繰り返したようです。

当時の人々の知恵と獲物を狙う強い思いを感じざるを得ません。
                                (令和4年8月25日現在)

 

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長辺約3m、短辺約2mの竪穴状の遺構です。内部に炉はありません。写真奥に2本の柱穴と長辺の壁際に小ピットが多数確認できます。
平面の形は異なりますが、他の遺跡では同じような形態の竪穴住居が縄文時代前期の初め頃を中心に見つかっています。

岡田遺跡で見つかった遺構もこの時期の竪穴住居の可能性が考えられます。
                              (令和4年8月5日現在)

 

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現在調査中の竪穴住居です。
床面の上には炭化材が放射状に残っていました。おそらく住居の建築材と思われます。床面上やカマド内部には土器も多く出土しました。
さらに調査を続けていきます。
                (令和4年7月21日現在)

 

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これまで、縄文時代の溝状の落とし穴をご紹介してきましたが、他の地点でも同じような落し穴が見つかっています。

幅が狭くて写真だとわかりづらいので、落とし穴の後ろに作業員さんに立ってもらいました。

岡田遺跡ではこのような場所がたくさんあり、縄文時代の狩場であったことがわかってきています。
                       (令和4年7月8日現在)

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梅雨入りしましたが、晴れ間も多く熱中症に注意しています。

乾ききった地面に散水しながら遺構を探す作業を進めています。
                (令和4年 6月 21日現在)

 

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落し穴がまとまって見つかっていたエリアの調査の目途がたち、東側から写真撮影を行いました。落とし穴の位置がわかるように、作業員さんに中に入ってもらいました。

複数の落とし穴が列状に並んでいるのが確認できます。
                (令和4年6月7日現在)

 

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岡田遺跡では縄文時代の落とし穴と古代の竪穴住居が確認されています。

今月の後半からは竪穴住居の精査も開始しました。写真中央の黒い部分が竪穴住居です。竪穴住居のある場所に大きな切株があるため、遺構を壊さないように注意しながら掘り下げを進めています。
                (令和4年5月26日現在)

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調査を開始して一ヶ月以上経ち、遺構の精査も本格的に始まりました。
縄文時代の溝状の落とし穴がたくさん見つかっています。写真はその精査をしている様子です。幅が狭いため、長い柄を付けた道具を使用するなど、工夫して精査を行っています。
                (令和4年5月18日現在)

岡田遺跡 4月編集 作業状況 lioght

野外調査が始まり、重機による表土掘削が終了した範囲から遺構検出を進めています。

今のところ、縄文時代の落とし穴と古代の竪穴住居が見つかっています。写真は、溝のように細い縄文時代の落とし穴を調査しているようすです。

                                               (令和4年4月26日現在)

 

※このホームページは公益財団法人岩手県文化振興事業団埋蔵文化財センターが、調査した遺跡の情報を提供しています。 掲載されている情報の無断転載はできません。

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