イベントレポート

令和元年度 埋蔵文化財展レポート

 令和元年11月29日(金)から12月1日(日)の3日間、一関文化センターで「文化・芸術が集うときin一関」の一環として埋蔵文化財展を実施しました。埋蔵文化財展としては40回目、県民会館・県立美術館・県立博物館との共催としては7回目になります。
 現在、一関市には約900の遺跡の存在が知られています。埋蔵文化財センターは昭和52年の設立以来、道路建設や河川改修などの公共事業に先立って遺跡の発掘調査を行い、埋蔵文化財の記録保存を行ってきました。一関市でも昭和58年以来、30回をこえる調査を実施しました。今回の埋蔵文化財展は、これまでに当センターが一関市で行った調査について、そのときの様子を写した写真や、その時に出土し、保管している出土遺物を見ていただくことによって、一関市の歴史の一端を知っていただこうというのが目的です。
 埋蔵文化財センターが調査した出土した遺物は、すべて盛岡市にある岩手県立埋蔵文化財センターで保管しています。遺物の出土した遺跡の所在する市町村から請求があった場合は市町村に譲与します。
 一関市の遺跡から出土した土器や石器は膨大な量にのぼります。最初に、そのなかから是非とも皆さんに見ていただきたい遺物をセレクトします。普段は人知れず静かに黄色い収納箱の中に眠っている土器が並べられます。

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 どの遺物を展示するか並べてみます。並べてはみたもののスペースの関係で残念ながら展示をあきらめた遺物もたくさんあります。
 盛岡から一関までは約90km、ちょっとした距離です。展示する遺物が運搬する途中でこわれたりしないように、土器などを綿ふとんや緩衝材でくるんで丁寧に箱詰めし、トラックに積み込みます。遺物の里帰りといったところです。

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 選ばれた遺物を一関文化センターの展示室で並べました。遺物の展示は遺跡ごとです。遺物の後には解説と写真パネルを貼りました。

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 いよいよ展示会の当日です。お客様のやってくるのが待ちどおしいです。初日は何人ぐらいの方がいらっしゃるのでしょうか。

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 初日はウイークデーということもあり、入場されたお客様は47名、やや伸び悩みというところでしょうか。

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 第2日目、土曜日です。朝から昨日の倍以上のペースでお客様が入場します。事業団プレゼンツの他のイベントも開催されたこともあり、昼過ぎには大忙しです。縄文服体験コーナーも子供たちがやってきます。縄文の森をイメージしたパネルの前で記念撮影する人もいます。入場者数は383名、盛況です。
 第3日目、最終日です。11:00から当センター調査員による展示説明会がおこなわれました。発掘調査した遺跡や出土した遺物の詳しい解説を、皆さん興味津々と聞いています。会場入り口ではオリジナル缶バッジづくりに挑戦する子供たちがいます。第3日目の入場者は143名でした。
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 今年度の埋蔵文化財展の入場者数は3日間合計で573名、展示以外のイベントに来られた方と合計すると、入場者数は1015名でした。
 埋蔵文化財展は開催市町村を変えて来年度以降も続く予定です。どうぞご期待ください。

 

2019年12月16日掲載

※このホームページは公益財団法人岩手県文化振興事業団埋蔵文化財センターが、調査した遺跡の情報を提供しています。 掲載されている情報の無断転載はできません。

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