山ノ神Ⅱ遺跡

いわて調査情報/2023年6月1日現在

DATA

遺跡名 山ノ神Ⅱ(やまのかみ2)遺跡
所在地 岩手県花巻市山の神130
事務所 080-8215-1710
調査期間 令和5年4月7日~11月30日(予定)
時代 縄文時代 
検出遺構 縄文時代 落とし穴
出土遺物 縄文土器  近現代:陶磁器
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上の写真は、円形落とし穴の埋土を半分掘った断面です。

黒色土の中に黄色っぽい粉状物質の層があります。これは約6,000年前に十和田湖の火山が噴火した時に空から降ってきた火山灰と推定されます。この断面を見ると、落とし穴が使われなくなり埋没していく過程の途中で火山灰が降下したと解釈できるので、落とし穴が作られたのは6,000年以上前ということになります。
縄文時代の中でも古い時期に相当します。

下の写真は、この落とし穴の完掘状況です。開口部は円形ですが、底面部は方形に近い形をしています。

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この不思議な特徴は他の円形落とし穴でも複数確認されていますが、理由はよく分かりません。

                             (令和5年6月1日現在)

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写真手前には円形の落とし穴が4つ、右奥の方には溝状の落とし穴が3つ、ほぼ等間隔に並んでいます。
縄文人が獲物を的確に仕留めるために、計画的に落とし穴を作った様子が想像できます。同じ形状・規模の落とし穴が規則正しく並ぶ例は、他の場所でも確認されています。

落とし穴の調査には水中ポンプが欠かせません。湧き出る水に悪戦苦闘し、泥だらけになって作業しています。                                                                                                                                                                 (令和5年5月23日現在)

     

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4月7日から調査を開始しました。重機で調査区南東側の表土除去を行っています。
産業団地整備のための調査で、対象面積は約50,000㎡と広大なため、11月末までかかる見通しです。右奥に見える建物は富士大学です。  

                                       (令和5年4月14日現在)

 

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調査区西側で、重機による表土除去・遺構検出・精査を並行して行っています。

写真は縄文時代の(獣を獲るための)落とし穴で、手前にあるのは溝状の落とし穴、右側の少し奥に2基並んでいるのは円形の落とし穴です。
山ノ神Ⅱ遺跡にはこのように2タイプの落とし穴がありますが、円形のものの方が数多く見つかっています。穴を掘ると底からどんどん水が湧いてくるため、作業が捗らず苦慮しています。                                                                        (令和5年5月12日現在)

※このホームページは公益財団法人岩手県文化振興事業団埋蔵文化財センターが、調査した遺跡の情報を提供しています。 掲載されている情報の無断転載はできません。

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